掲示板などで学生さんが
「プロのイラストレーターや漫画家になるために、やるべきことは何ですか?」
と訊いている。
どんな学校に通えばいいのかとか、
専門学校かそれとも美大かとか、
やっぱりデッサンは大事ですよねとか。
確かに漫画家やイラストレーターを目指す人にとって、
それらの情報は必要だと思う。欲する気持ちもわかる。
でも、「なるためにやること」って、何だ…?
それを仕事にするために勉強をするって、
絵に関しては、なんかおかしくないだろうか…と。
卵が先かニワトリが先かみたいな話になっちゃうけれど。
なるためだけに勉強するとしたら、なった後はその人は…どうするんだろう。
何をするつもりなんだろう。何がしたいんだろう。
確かに自分も技術を上げるための努力はした(と思う)。
その先に、絵描きのプロという世界を、全く想定しなかったとは言わない。
だけど、仕事が欲しくて絵の勉強をしたのかと問われると……なんか違うような気がする。
私はいつでも、描きたかったから描いていた。
ずっとずっと、描くことだけをする為には、それを仕事にするしかなかった。
「仕方なかった」という表現は、いろんな方に失礼になるかもしれないけど、
でもそういうことだった。
なるための努力は必要だと思う。
けど、「手段」と「目的」を間違えると後で辛くなるんじゃないかなと思う。
「漫画家になる」ってのは、あくまでも漫画を描き続けるための手段でしかない。
だから漫画家になりたくて漫画を描くことは、
漫画家になるためのステップ(なるためにやること)ではない。
「なるため」に絵を描くんじゃない。
描きたいから「なる」んだ。
就職もプロデビューも、ゴールなんかじゃない。
原稿用紙で散らかった机周りを見ながら、そんなことを考える。