本橋ゆうこ

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イラスト一枚のチカラ

クリエイティブ


これ、とある街並みを描いたイラストなんですけども。

見づらくてどーもすいません。。
テレビ画面に映ったのを、とっさにデジカメで撮っただけなので、画質もいまいちで、下手すると何が描いてあるのか(いやこれが絵であるということ自体…)わからないかも。

どこの、どなたの作品なのかも残念ながら存じ上げません。
一応調べてはみたんだけど、わからなかったです。
(もし知っている方がいたら教えて頂けるとありがたいですが)

今朝のニュースの後にやっていた、能登半島地震の被災地の商店街復興委員会が作成した「復興した商店街はこんな感じ」というイメージイラスト、だそうで。

だから、ある意味で、この街並みは今はまだどこにも存在していないとも言える。
このイラストの中以外には。


画質がダメダメすぎて何もわからんと思うんですが(泣)、画面には両側にずらっと昔ながらの木造日本建築の商店が軒を連ねていて、その前に朝市を思わせる出店がこれまたずらっと並んでいる。その間を、観光客とおぼしき大勢の男女が楽しそうに、まるでにぎわいが聞こえてきそうな様子で散策している。

この町の商店街は、地震のせいで一度はみんなが「もう駄目かも…」と思うくらいの被害を受けてしまったそうです。

普通の民家が被災しても、復興には大変な資金と時間、労力が要るはずですが、商店、さらには商店街そのものの復興となると、これはもう本当に想像もつかないくらいの苦労があるだろうと推測します。
個々のお店の被害状況も違えば、もともとの経営状態も違いますからね。
「こんなにメチャクチャになってしまって、もう店は続けられない…」
実際、そう考えた人も多かったそうです。

落ち込んだムードが広まっていた時に、商店街の中から「頑張ろう」という人が何人か現れて、その人達が中心メンバーになり、役所の人間や、県外のコンサルティング業者なんかも巻き込んで「商店街復興委員会」をまず立ち上げました。

町の人が知恵を出し合って話し合い、行政も色々工夫して助成金を出したりしました。(和風建築にして復興するなら半壊100万全壊200万とか)
それぞれの店の人たちが協力しあって、空いてるスペースを貸しあったり、何とかこの町がバラバラにならないですむように、先祖伝来の土地に住み続けて、元のような穏やかな幸せな暮らしを取り戻せるように、しかも復興した商店街に新しい活気を生み出せるように、みんなで頑張ったそうです。

その復興の初期の段階で、みんなにまだ全く見えない未来の復興への具体的なイメージをもっともわかりやすい形で「見せた」のが、このイラストだったのだろうと。
言い換えると、みんなの「心の中に新しい町を存在させ」たのだ。


あ、そうかぁ。
絵にはそういうチカラがあるんだったっけ。


そんな感慨が、ちょっと意外なくらい心に残ったのでした。
どうも我々、イラストを仕事にしていながらも、時々「道に迷う」というか。。
「こんな絵をどれだけ描いたところで一体何の意味があるというのか」
なんてことを腹の底から吐き捨てるように思ってしまったりすることもある。瞬間的になんですが、実に不届きというか、恩知らずというか(汗)。

でもね、自分の心には嘘つけないので。
本当にそんな頃もあったのですよ。。

それはきっと、私(…だけですかね?汗)が、どこかで「卑しくも作家を名乗るなら”自分の絵”を描かなければならない」と思い込んでいるせいなのでしょう。


でも、じゃあ、”自分の絵”って何なんだろうか?


この被災した商店街復興計画のイラストを見て、そんなことをボンヤリ考えました。
私自身は、風景とかパース絵が特に苦手なこともあって、まず自分からこういう構図の絵を描こうとは考えないと思います…。
描いてるネタも、なんつうかアニメっぽいというか漫画っぽいというか、まぁ確実に「公」のお仕事が来ることなんかは永久に無いと断言していいでしょう(笑)。

それどころか、もう少し若い頃の私だったら、おそらく、こういうイラストを見て
「個性が無い」
の一言で断じてそれで終わり、だったかもしれません。
いや、あるいは今でもそうなのかな??
何よりもまず「自分」というものを画面の中に存在させなければ、誰かに自分がいるということをわからせなければ…そういう焦り、の方が先に出てしまったかも。

でも、今日テレビの画面ごしにこのイラストを見て、町の人たちの頑張る様子を見て思ったことは、「このイラストで必要十分なんだな」ってことでした。

だって、ここ(画面の中)に必要なのは、このイラストの描き手一個の「自分」などというものではなくて

この町の復興した未来=希望(の具体的なビジョン)

…だったはずだから。
そして、ちゃんとそれが出来ているこのイラストは、作品として、仕事として見事に成功しているんだと思う。
何か特別な技巧でも、構図の斬新さでも、色使いの派手さでもなく。

その画面に現れている素朴な共感と、誠実な姿勢によって。




自分の描いた絵(やイラストや漫画や…その他いっぱい!)が、どこかの誰かに勇気や、希望を「具体的に見せる」ことが出来た。


そんな日が本当に来たら、どんなにか素晴らしいことだろう。


その時その作品は、私が狭い思いで追いかけようとしていた「自分の絵」なるものを、きっと軽々と越えているに違いない。




このイラストをテレビで見て、そんなような事を考えました。

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マンガ家、イラストレーター

本橋ゆうこ

現在、主にウェブサイト上で連載記事につける挿絵イラストなどを作成しています。もの凄~く専門的でムズカシイ内容を「つかみはオッケー!」な手描きアイコンや、マンガ風挿絵でよりわかりやすく、多くの人に読んでもらえるものにしたいと日夜考え続けています。エッセイなど物語性のある挿絵のお仕事が得意です。シリアスなビジネス物からアメコミ調、脱力系、萌え系美少女まで…パスによる似顔絵やコマを割ったマンガなども幅広く作成が可能です。 ネット常時接続の迅速返信、データ入稿も可です。お仕事のご依頼はまず、HPのメールフォームからどうぞ☆

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