
またちょっと御無沙汰してしまいました。。もぐです。
突然ですが、さっき遅い朝食を食べながら録画ビデオで見た
『プロフェッショナル仕事の流儀』
という番組の、
第82回 4/1放送「ワンクリックで、世界を驚かせ~ウェブデザイナー・中村勇吾」
の回が、それはもう素晴らしく面白かったので、見てなかった方は再放送とかチャンスあれば是非ご覧になってみて下さい!ほんと良いんで!!(強)
この中村さんという方、恥ずかしながらもぐは一応ネット業界?にいながらモグリ(もぐなだけに。泣)なので不勉強にもお名前を存じ上げなかったのですが、既に世界規模で超有名な方だと思います。手がけた仕事を見れば当然そうだろうなと。
で、そんな凄い仕事バリバリしてる方でも、かつての自分のことを評して
「ダメサラリーマンだった」
とか自嘲気味に語っているところに、仕事というものの奥深さがあるなぁ、と…。
つまり、いつでも”どっちにも転べる”ものだと思うのですよ。
毎日サイテーだ、つまんねー、と思ってても、ふとしたキッカケで良い方に転ぶかもしれないし。逆に、最高だわーと思ってたらいきなり足元すくわれるかもしれない。
永遠に、これでいいなんていう「正解」はなくて。
でも、それってまるで人生そのものですよね?
少し抽象的な方に話が流れかけたので引き戻しましょう。
前回のブログでもお仕事のことを少し書いたのですが、今日もちょっとその繋がりで行ってみます。「お仕事をさせてもらうまで」のことになります。
私は、前にも何度か書きましたが、ある都内のIT関連会社に運よく拾われてアルバイトをすることが出来たのが、このお仕事のそもそもの始まりでした。
ITやってる会社にいながらほぼ全くパソコンが使えないという奇跡的(?笑)な採用をされたので、毎日ひたすら天の神様と、拾って下さった憧れの上司様(女性)に感謝し、何とか恩返しを出来るようになりたい一心で過ごしていましたね。。
あの時、ぶっちゃけてしまうと、私は個人的にとっても「お金」に困っていたので、その月の家賃を払う為に、何としてもどこでもいいから会社に勤める必要があったのです。アルバイトじゃ掛け持ちしてもたぶん足りなかったので。だから必死でした。
今から思うと、その必死さがどうしても必要な時期、だったのかも。。
何とかしてどこかに「ひっかかる」ために、履歴書を出しまくりました。
私は当然のことながら新卒ではなく、いわゆる第二新卒ですらなく(会社に勤めたことがないので)、採用活動の定石から考えれば、まったくこれ以上に無いくらい不利な条件のカタマリのような人でした。。(我ながら笑える…☆)
当然、落ちまくりました。
それでもお金に困っているという具体的な状況があったので、諦めることなく求人雑誌を見ては、色んな業種の色んな企業様に出しまくりました。
本当に、手当たり次第という感じでした。
何か決まった業種とか分野とかいうよりは、まず頭をカラッポにして(というのは、出身大学やかつての専攻、志望などは一旦保留して)「これなら行けるかも」と直感で思った案件に片っ端からアタックする、というやり方です。(最終的に行くことになったネット関連企業も、3cm四方もないような小さ~い求人広告の”イラスト”の4文字だけを見てあてずっぽうで出したものでしたしね…htmlとかは全く見てなかった。。苦笑)
腐っても一応、美大出身なのでデザイン会社、広告会社、マスコミ、書籍・雑誌編集プロダクション、あたりはまあ順当かと思うのですが、だんだんそこから外れてって、ビデオ編集会社、キャラクター版権管理会社、社員教育関連企業、ネット通販(かな?)、はては洋菓子製造やパチンコメーカー、気がついたらアダルト編集部にまで送っていたみたいで後から少々ビビリましたが。(落ちたんで良し…笑)
もう好き嫌いも、思想信条も、主義主張も、何にもありません。
ただただ、「私を雇ってくれそうな可能性がありそうな」会社であれば、そしてそこで少なくとも「自分が適応して働いていけそうな可能性がある」部署に行ければ、どうにかなる、と思っていたのですから。
「自分を活かしたい」とか「スキルアップしたい」とかいう高尚な理由づけなど一切ありませんでした。
「お金」の心配の前に、そのような幻想や理想は意味が無かったのです。
そんな出たとこ勝負の勝ち目の薄い就職活動でしたが、私なりに努力はしました。
履歴書は「まっさらな新卒のように」書いたところで何の意味も無いので(資格の欄が真っ白とか。笑)そういうのとは違った書きかたを心がけました。
これまでやったアルバイトの主なものを列挙し、そのアルバイトをどの位の期間やり、その間に自分が最終的にどのようなポジションにまで達して、その中でどのようなことを学び取り、それが次の仕事でどのように生きたのか、を書きました。
(例1:菓子工場で働いてた時は、選抜されて生チョコレート製造ラインに入り、そこで成型の技術を視察にきた本部菓子研究所の職員から高く評価された、とか。)
(例2:ビデオ撮影オペレーターのアルバイトをしていた時は、最後は社員に次ぐ立場で新人教育などを任されるようになっていた、とか。)
これらは全て「履歴書の空白を埋める」ための努力と言えます。
私は学校を出る時、まともな就職活動をしなかったので(色々と事情もあるにはあったのですが)、その卒業以降、「現在」に至るまでの期間が、まともに書けば、まるまる”空白”になってしまうのです。しかし空白では話にもなりません。
空白とは、無、ということですから。
当然、その期間も私は生きていたわけで、けっして”無”や”空白”などではないのですが、それは他人にはどうしたって伝わらないのです。
口に出して「空白ではないんだ」と言わなければ。
だから、一目見て「うっとうしい!」くらいに書く必要があると私は考えたのです。
たとえアルバイトの経験でもいい、旅行であってもいい、家にいて家事手伝いをやっていたのだって、何か学ぶものはあったのだと。
(現に、私は地元の家にいて毎日ひたすらニュースと新聞と本ばかり見て、読んで過ごしたあの期間ほど、自分の底が広がった時間も無かったと思っているので…)
ただ、それはどうにかして「他人にも伝わるように言わなければならない」。
伝わらないやり方では、そもそもやる意味が無い。
今でも何通か出し残した私の履歴書&職務経歴書がありますが、真っ黒、です。。
近いものが、私の個人ホームページのプロフィールの欄に載せてありますので、興味ある方はのぞいてみて下さい(笑)中身は多少違いますが、あの下手な字です☆
…どうもこんなに文字文字しくたくさん書いちゃダメ(笑)らしいんですが、それでも私にはこうすることが絶対に必要でしたね。。
それは、自分自身にとっての”最後の命綱”のようなものでもあったのです。
「そうだよ、自分は今までこんなに頑張ってきたじゃないか」
「毎朝5時に起きて、バイト行くの大変だったよな…大雪の日も行ったし」
「あの時、社員になりなよって誘われた事だって何度かあったんだ」
「タダだけど、イラスト描いてみんなに感謝されてたじゃないか」
「私のこの時間は、けっして”空白”なんかじゃなかった」
そう言い聞かせることで、いつも怖くてたまらない企業の採用面接の場でも比較的、落ち着いて自分のペースで話すことが出来たように思うのです。
かすかな「自信」の源、というと良く言いすぎでしょうか?
でも、そういうものにすがらないと人は「心が強くなれない」のです。
「心が弱い」状態で、自分を売り込みなんか出来ますか?
これは今、現に会社に行って仕事をしている人たちも皆おんなじだと思うのですが。
自信、ということで実はもう一つ小細工したことがあります。
履歴書を入れる封筒の中に、自分のイラストのコピーを同封しておいたのです。
テイストの違うものを何点か、カラーコピーして入れてみました。
その企業の業務にほんの少しでも関係しそうな、つまり「使い勝手がありそうな」タイプのイラストを、です。
※なぜかそこに例の「着ぐるみ戦隊グルミンジャー」が入ってましたが(笑)
別にその会社に入ってイラストの仕事がある、などとは思っていませんでした。
そもそも私の最終学歴である大学では一切、絵は描いてませんでしたし、この時の職探しでも、イラストとかデザインは第一志望でもありませんでした。
ただ私はこれもやっぱり、「履歴書の空白」を埋めるものと考えていたのです。
このイラストの、この線一本が引けるようになるためにどれ位の時間がかかるか。
恐らく絵などほとんど描いたことのない採用担当者には、わかるはずもないとは思いますが、でも、たった一人この自分にだけは、わかっています。
小学生の頃、あんなにヘタクソだった自分の絵。
それがだんだん見れるようになり、でもやっぱり翌朝になると「下手だなぁ」とかまた思ってしまい。テストのウラによく落書きとかしてた頃は、迷うことなく「自分は将来イラストレーターになる!」とか思っていました。
学校で絵の勉強をすることになってから、周りには上手いやつがたくさんいて、その中であきらめたり、落ち込んだり。それでもどうしても辞められなくて続けてきた…このイラストの変遷は、自分自身の変化そのものだ。
いや、これこそが自分そのものだ。
だから、自分の人生に”空白”なんかはないんだ。
そう自分に言い聞かせるために、それを他人にも少しでも共有してもらうために、私はカラーコピーの自作イラストを同封した履歴書を出し続けたのです。
そんな中、面接に呼んでくれた丸の内のでっかいビルに入っている、あるIT関連企業の一室でお会いした部長さんが、私の履歴書の封筒から一枚の紙を引っ張り出しながら、こう言ったのです。
「…ウチには今、こういう人が必要だと思うんだよね」
そこには、その薄っぺらいカラーコピー用紙には、私がダメもとで同封した、あの「着ぐるみ戦隊グルミンジャー」の、赤いド派手なイラストがありました。
その時の、私の気持ちをなんと表現したらいいのか。
ああ。
この人にはちゃんと伝わっていたんだ…。
何故か、涙が出そうになった感覚を記憶しています。
幸運にもその会社でアルバイトをさせてもらえることが決まった時(現場の人達から絶対無理と言われつつ、職種の項目には「ウェブデザイナー」と書かれてましたが…笑)、仕事するなら、どんなことであっても自分の全力を尽くして頑張ろう、と思いました。
とりわけ私を拾ってくれたあのカッコイイ女の部長さんの為なら死ねる!などと。。
でもまあ、結局、ウェブデザインはどうしても向いてなさ過ぎて(?)手描きでイラストを描くようになってしまいましたが…。どこまでも、最終的には、私の「資源」は一番長いことやってきた「イラストを描くこと」でしかなかった訳ですかね。。。
(※それも、拾ってくれた上司に何とか迷惑にならないよう、会社に少しでも役に立つ人になれればと、自分の仕事机のまわりに過去のイラスト作品なんかを製作時間とか書いてペタペタ貼り付けておいたら、それを見て?かどうか、少~しずつ記事に使う挿絵の依頼が来るようになった…感じです。でも、そうなるまでの間は立派に私は会社の”ゴミ人間”でしたね!爆笑)
そうやってお世話になった会社でのアルバイトを辞めて独立することになった時も、上司様はじめ部の人達は本当に良くしてくれました。
「いつか社員にしてもらえるかもだし、辞めないでいれば?」なんてことも言ってくれましたが、もう少し若ければ私もそう出来たかもしれないとは思うのですが、時間が無いという思いが先に立って、結局はこうなりました。(すいませんでした。。)
でも、後悔とかは一切ありません。
たとえアルバイトではあっても、それまで根強く自分の中にあった「社会で働いている人たちへの負い目」「会社恐怖症」のようなものが払拭できただけでも、あの一年あまりの期間は大変意味があったと思っています。
それは同時に、私の人生に”空白”がなくなったことも意味しているので。
かつて「会社員」と呼ばれる人種が苦手だったのは、その人らが懸命に働いている間を自分が無為に過ごしていたのではないか、という後ろめたさが、いわば弱みになっていたのだと思うのです。本当に、「会社」も「スーツ」も怖かったのですよ。
でも、会社の中にいるようになれば、「会社員怖い」とか言ってられませんからね(笑)。ていうか周り中が会社員ですし。。
仕事のことで相手の社員さんとも普通にコミュニケーション取れなくてはいけませんし、実際話をしてみると、「あ、このひとたちも自分と同じ人間なんだ」と気づくという。。…お前は絶滅危惧種か!?って状態ですが(失笑)。
自分の名前でイラストの仕事が来るようになり、色んな企業の担当者の方と「頼む方と頼まれる方」という、言ってみれば対等に(まだ微妙ですが。笑)お話させていただくようになって、求められているのは「私にしか描けない作品」だと思います。
それを描けるようになるためには、これまでの私の人生の時間全てが、やっぱり必要だったはずなのです。
その時間の上で、自分という人間が出来上がってきたのですから。
だから、”空白”はなくなったと今は言えるのです。
こう言えるようになったのは、お仕事をするようになったからです。
私の人生に”空白”を強要したのも「仕事」ですが。
その”空白”を拭い去ってくれたのも、やはり「仕事」だったのです。
だから、私は仕事そのものにとても感謝しています。
それを出来る環境を与えてくれた全ての人にも、心から感謝しています。
同じように、自分の中の”空白”に今まさに悩んでいる人がいるとしたら、その人にも私と同じような幸運が訪れてくれて、誇りをもって仕事が出来る環境を手に入れて、自分自身の弱みを乗り越えていけるようになればいいなぁと本当に思います。
いま就職活動中の若い皆さん、どうか色んなことに負けずに頑張って下さい。
あなたがそんなにも頑張っている事を、この世で少なくとも一人は知ってますよ。
そのたった一人(=自分)を信じて、一歩ずつ前に進んで下さい。
いつかきっと、その日々が揺ぎ無い「自信」に繋がる時が来ますので。
※だらだら書いてしまいましたが、これは会社にいる人いない人関係なく言えると思うのですが、折にふれ、機会を見つけては「自分にはこれができる!」というアピールはしておいた方が良いと思います。
こういうテイストの絵が描ける、というのもそうですし。色んな可能性が考えられるのですが、それらも全て、自分の中にあるだけでは羽の下で大事に温めている卵のようなもので、外からは一切その存在が見えません。卵が育ってない=完成度が低いうちはそうするのが正しいのですが、外に出すべき時期が来たら、やはり他人にどんどんアピールして世界を広くして行くべきでしょう。
仕事を離れて個人のブログ等で発表するのもいいですし、その場合はなるべく存在を隠したりせず公にできるレベルのものを出した方がメリットもあります。
…余談ですが、私も以前から「制服が好きなんだよ」と言っていたら(そのせいかどうか知りませんが。笑)今度、めでたく”白衣を着たセクシーな女医さん”というイラストのお仕事が来ました…☆何でも言ってみるものです。。(笑)