僕は胃腸が弱いので、滅多にインスタント食品を食べない。
食べ過ぎると、すぐに下痢をするのだ。
でも、月に一度くらい、無性にインスタント麺を食べたくなるときがある。
そんなときのために、買い置きしておいたのだが…。
パッケージをみて、ちょっと驚いた。
よく見ると、微妙にデザインが違うのだ。
GUP NOOGLEではなくGEP NOODLE
と表記されているではないか!
しまった!新製品か!
しかし蓋の表示を詳しく調べてみたところ、
まったく違う商品であることがわかった。
「日●食品」ではなく「日珍食品」
お客様、相談室の電話番号0120-××××-××××
と記載されている。
ふむ、何かあれば、ここに電話すればいいのだ。
一応安心して、お湯を沸かし、蓋をあけて湯を注ごうとしたところ
驚いた!
麺が真っ黒なのである。
容器の底に麺の固まりがあり、その上に具のようなものが載っている。
やはり、一種のインスタント麺のたぐいなのだろう。
色が墨のように黒いことを除けば、それほど異様な部分は感じられなかったので、
そのまま、じゃぼじゃぼお湯を注いでしまった。
待つこと3分。
容器の中で、今まで聞いたこともない、ごぽごぽという音が聞こえてきた。
同時に、容器全体が細かく振動している。
何だろう、僕は心配になった。
意を決して、蓋を持ち上げてみた。
驚愕した!
なんだこれは。
餅のような黒いかたまりが出てきたのだ。
僕はさっそくこの「ゲップヌードル」のことを調べてみた。
自由撲滅社のヒマダス2007年度版2116ページに
このゲップヌードルの記述が載っていた。
「ゲップヌードル」
2005年、4月、大阪府堺市で、はじめて発見された。
インスタント食品「●ップヌードル」のデザインに酷似している。
大阪市鴨川区に本社のある「日●食品」によれば、「あくまで本社の商品とは無関係。
時々、間違えて購入する消費者から、クレームがあり、その対応に苦労している」と言う。
消費者相談センターの調査によれば、約3万個に1個の割合で、このゲップヌードルが混じっているらしい。
これはインスタント麺のデザインに酷似しているが、実際は、宇宙から飛来したエイリアンの宇宙船であり、エイリアンは、ゲップマンと呼ばれる宇宙人である。
ゲップマンの発生した星はまだ発見されていない。
ケンブリッジ大学の天体物理学者、レッドキング博士は、銀河系宇宙と、アンドロメダ星雲の間にある、ダークマターの中に、発生地があるという説を唱えている。
ゲップマンは、体内の水分を抜いた仮死状態のまま、亜光速飛行をし、
数年で地球に飛来する。
沸騰水をかけることで蘇生する。
ゲップマンは、酸素を消費し、メタンガスを発生するので、その取り扱いには注意を要する。
そこまで読んで、僕は、台所で、がらがらと物の崩れる音を聞いた。
飛んでいくと、ゲップマンが、巨大化して、ゲップ、ゲップ、ゲップとメタンガスを吐いているではないか!
僕は、驚愕して、からになった容器をひったくり、そこに記載されてある、お客様、相談室の電話番号0120-××××-××××にかけてみた。
「こちらは、日珍食品、お客様相談室でございます。本日の営業時間は終了しました。営業時間は、平日、午前中の13時から15時。午後25時から28時でございます…」
これではらちがあかない。
僕は、ネットで「ゲップマン」を検索してみた。すると有り難いことに
「ゲップマン対策センター」なる機関がヒットした。
そこのページをクリックしたら
「ゲップマン被害連絡先0120-××××-××××-××××/24時間受付」という長い電話番号が載っていた。
これぞ、天の助け、僕は、藁にもすがる思いで、そこにかけてみた。
「はい、こちらゲップマン対策センターでございます」
かわいい女性の声が、受話器から流れてきた。
ありがたい。
僕は状況を説明した。
「わかりました。今、ゲップマンはどのくらいの大きさに成長しておりますか?」
「おおよそ、1メートルくらいです。ゲップ、ゲップと、どんどん大きく成長しています。何とかして下さい」
「わかりました。そのくらいの大きさですと、もう通常の兵器では歯が立ちません。お客様の現住所は?」
「東京都、渋谷区●●町●●-●●-●●」
「わかりました。すぐに、ミサイルを飛ばします。ご連絡ありがとうございました」
「えっ!ミサイル?…」
電話は切れた。
