90年代後半、バットマンの映画が上映されていてよくバットマンのロゴを見かけました。当時はあまり認識がなく、そのロゴが人の顔に見えてしまいました。なぜそのように見えたのか、最近読んだ本の中に一つの答えがありました。
どのように見えたかというと、楕円が顔だとして、上部に目があり、下部から歯が4本出ているのです。黄色い部分が黒い部分より強く前にでてくるという感じです。 『形の哲学ー見ることのテマトロジー』より。形の要素が浮かび上がって来るには、いくつかの法則があるということが分かっている。しかし中心となるのは「まとまりの良さ」を追求するという法則である。
・慣れた形にはまとまりを感じやすい。
・対称形というのも、まとまりの強さである。しかし対称形をおしのけてしまう要素もある。たとえば、膨らんだ形の方がへこんだ形より強いという傾向がある。下図をみると、右の図では、膨らんだ白い柱が強い。左ではふくらんだ黒い柱が強い。また対称形の凹みをもつ黒い柱よりも、非対称形の、ふくらみをもつ白い柱の方が強い。「ふくらみ」という要素が、明暗や対称形という要素よりも強い。
・まとまりの良さに自然の順位があるが、まとまりの良さの強さが二つの要素の間で張り合って、どちらの形としても見えるという場合がある。そのもっとも有名な例がレヴィンの図である。壷に見えるのは対称形としてのまとまりの強さのせいである。人の顔に見えるのは、人間にとって顔の形がもつ特有のまとまりの強さのせいである。
なるほど!「ふくらみ」という要素の方が強いので、コウモリの形よりもそのまわりの形状が見えてしまったという訳なのです。しかも、人間の顔の形というのは特有のまとまりの強さがあり、ロゴを見慣れていなかったことも手伝って私にはコウモリが見えなかったのですね。白が膨張色で前に出てくるのでは?と色のせいだと思っていましたが、答えは色ではなく形にあったのです。
今回は「哲学」から一つの回答を得る事ができました。いつか「科学」の視点で違う回答が得られたら面白いなあと思っております。
参考文献『形の哲学ー見ることのテマトロジー』著者 加藤尚武発行 中央公論者
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