
蕪ペンって知っていますか。
1970年頃のイラストレーターは、半分の仕事はモノクロームでした。
カラーページが少ないから、あるいはまったくない印刷物があったから、フルカラーの仕事は少なかったのです。
で、イラストレーターはペンを持っていました。
インク壺に突っ込んで描くペンです。
久々に、そのペンを使って描けと言うイラスト仕事が入ったのです。
この前の引っ越しで、もう使わないものは一掃したのです。
その一年後、仕事の発生です。
改めてペンを買いにいったのです。画材屋は避けてみました。LOFTに行きました。
カリグラフィーのペンを見つけたのですが、昔の蕪ペン、ペン習字なんかで使う刺しペンを探したのです。
カウンターで若い店員が、もっと知っているらしい係に連れて行ってくれました。丁寧な取り次ぎの後、その部署の一番下の子とおぼしき人が案内してくれました。
「マンガペン」というコーナーです。
「マンガペン」というジャンルであのペンは生きていました。
zeburaとnikkoというメーカーが生きていますね。
一っ本72円です。nikkoのメッキなしと後二メーカーのメッキのあるものを選びました。
今日使って、nikkoのジンクメッキのものが一番ぼくにあっているのが解りました。
前から、なかなかOKのでないイラスト・カットの試しで描いたものをプロダクションに電送しました。
「ぼくの個人的意見で言うと、これは200%OKです。明日の朝、社長に見せます」という携帯電話の返答があった。
一度つまずいた仕事は決して後々いいことは無い。早く、「器量不足でごめんなさい」と言って撤退するのがベストだと経験上解っている。
でも相手はななかなか手を切ってくれなかった。
他の仕事もあったのだけど、夕方の空いた時間で描いてみたら、そんなOKがでた。
文芸春秋の時代物のカットのような感覚と言ったらいいかな。
きっと、これでこの仕事が重い腰を上げて進行するんだろう。
【一沈】