
ロシア皇帝の至宝展でのVR(ヴァーチャル・リアリティ・ヴィジョン)の仕事をしました。
昨日、制作会社の方と会場である江戸東京博物館に行ってきました。
博物館は巨大の船のようですね。
寒い小雨の日ですからそんなに人出もなくゆっくり観る事が出来ました。
緻密な細工の装飾品や食器それから衣服などが次々と展示されています。12世紀あたりから近代まで幾つかの区割がなされています。
イワノフ皇帝の服が女性の服のようにスリムで小さめだったので少し驚きましたが、その服の中に収まる皇帝とまじかに会った体温を感じました。
エカテリーナの肖像は人柄を表して優美なものです。
あるひと部屋で息をのみました。
ぼくが描いた戴冠式に王妃が着ていたローブが置かれていたのです。
ローブは後ろに長く裾を引きずっておりその長さは5mはあろうかと思います。
多分、テンかミンクの縁取りがなされ、黒い飾りは多分尻尾かと思われました。
戴冠式に出席していた一人一人を描いていたせいで、その世界に紛れ込んでいたのでしょう。今再びそれらの人々に対面した思いです。
さて、肝腎のVRは、
ウスペンスキー大聖堂の外観からゆっくりとした動きでカメラ位置が移動していきます。
内部に入るとカメラはそのまま前進しつつ空間をかけ登ります。
シャンデリアの位置より高く上がり、イコンに埋めつくされた壁を写し出します。
その執拗さにはただただ驚かされます。
終盤になっていよいよ戴冠式シーンの再現です。
今まで人気の無かったところにぼくの描いた人物たちがびっしりとした密度で浮かび上がって建物と一体化します。
かつてインカの映像をやった人物の重なりが密であるためそのばにいる人々の間を抜けて皇帝の前に進みでるような気がします。
上映時間は10分。この戴冠式シーンは最後のわずかな時間です。
あっという間に終ってしまいました。それぞれの人物をひとつ味わっている暇はありませんでした。
ぼくの1ヶ月の仕事の重みは瞬く間に終っていまいました。
もっとも、アラを見つける暇もないのは幸いというべきでしょうが。
よろしければ江戸東京博物館までお出かけください。
6月17日までですが、まだあると思っているとすぐ終ってしまいますからお早めにね。
東京展以外に各地にこの展覧会は巡回するとのことです。
【一沈】