知識・情報
本屋に行けば「講談社夏の一冊」とか新潮社yonda?とか、夏に読めと目白押しの作品群が並んでいますが、皆さん、暑い夏の日の午後、風鈴と扇風機だけが蝉の声に唱和する中で本を読んでみるのもどうでしょう?
というわけで、珍しく夏読む本のご紹介。
■「夏のロケット」(川端 裕人・文春・青春小説)
……といえば川端裕人の本の名前、とすぐに出てくるアナタ、読書好きあるいは
宇宙開発好きですね?
これは宇宙開発好きだった少年が大人になって、またかつての夢を思い出し……
というお話。読後爽やかないい作品です。諦めてた夢ってなんだろうなあと本を
片手にふと振り返るのもいいかも。「こんな上手く行くわけないじゃん!」
というようなヤボはいいっこなし。
この流れで行けば小川一水「第六大陸」なども列挙出来そうです。
そういえばお手製気球で地球を撮影してしまった凄い人たちのNEWSが最近ありました。
タイムリーですね。
■「センス・オブ・ワンダー」(レイチェル・カーソン・新調・エッセイ)
「沈黙の春」で人間が環境に与える被害を喝破したレイチェル・カーソンの遺作です。
The sense of wonderとは、神秘や不思議を見て目を瞠る感性のこと。
こどもたちにそういう感性を持ち続けるように、大人達によびかけています。
頭ごなしに「勉強しなさい!」とか「夜なんだから早く寝なさい!」と押しつける
のではなく、一緒に満月の月を見上げたり、森に探検にいったりした方がどんなに
いいかわからないよ、と。
訳もいいのでしょう、子どもを持つ親に向けて語りかけるレイチェルの言葉を
聞いているうちに、いつしか波のとどろく夜の海や、雨に輝く森の中を散歩している
気分になります。綺麗な写真と共に語られる美しい地球。ちょっとした自然散歩が
味わえます。
■「ねむたいライオン」(椎名 誠・朝日新聞社・写真集)
アフリカのサバンナを駆け抜け、気球で横切り、やがてキリマンジャロへと登る
行動作家シーナの写真エッセイです。元々この人の文章は好きで、たまに摂取しない
とおかしくなるという、私にとってミネラルの様なものなのですが。
作家シーナの写真と言葉を聞いていると、暑さにあえぐアフリカのサバンナで、
こちらをじっと見つめてくるライオンの子どもがまざまざと脳裏に浮かびます。
「夏だ、暑い……水の世界で涼みたい」という方には椎名誠「水域」もオススメ。
……SFですが(笑)。
■「エンダーのゲーム」「エンダーズシャドウ」(O.S.カード・ハヤカワ・SF)
SFですね。近未来のお話です。
異星人にある日突然攻撃され、破れた地球人。
やられる前にやれってことで、対異星人向けのコマンダーを地球をあげて養成します。
長期宇宙船飛行に耐えることができ、冷徹な判断力を行使できるよう頭脳優秀で
身体能力にひいでた10歳以下の子ども達が地球から集められ、コロニーの軍で
育てられる……というシチュエーション。
最高指揮官に選ばれることになるエンダーという少年の話が
一作目「エンダーのゲーム」。彼の影となり右腕となるビーンの物語が
「エンダースシャドウ」。これは対として読むべきだというのが持論です。
頭のいい、色々な環境から選ばれてきた子ども達の生き様が凄まじいです。
淡々とした筆致がカードの良いところかと。
(ストーリーとしてはエンダーのその後を描く「死者の代弁者」ビーンのその後を
描く「シャドウ・オブ・ヘゲモン」など続刊しますが、この二冊が最高です)
ああいかん、オススメミステリを考えているうちにやたら時間がかかりそう。
そのうち加筆修正します。
2007/08/01
11:54
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