
昭和42年とあるから、12歳の時か。これは大正から昭和初期に掛けて人気を博した「少年倶楽部」と言って、母の少女時代のノスタルジーで購入された復刻本です。この本を買い与えられたのが私の今日の絵のルーツと言って好いかも知れません。写真にあるのは「船のカバシマ」と呼ばれた樺島勝一先生の「敵中横断三百里」の挿絵ですね。中学にあがる頃少年Jと少年Cなんかも出て来て、漫画の世界は子供の目にも酷い絵や人まねが真っ盛りになってきて、ヨチヨチの頃から志していた漫画家の道も、最早自分の行く世界ではないと思い始めて居ました。そこへ、この本があって良かった、私は、夢を繋ぐ事が出来た。この間描いた中國故事の挿絵の彩色も、主線は毛筆だけれど、淡彩の手法は他でもないこの「敵中横断三百里」のカバシマの記憶に他ならないのですから。因みに、この樺島先生は、「東風人」のペンネームで正ちゃん帽の「正チャンの冒険」と言う漫画を描かれて居た事はあまり知られていないと思う。この手広さもまた私に影響したかも知れません。