
諏訪:コンテンポラリーアートの活動を始められたのはいつからですか?
天野:2002年です。
諏訪:もう7年ですね。
天野:ええ。でも今までと少し違う世界なので、「探りながら」というか、ほかの仕事の量も半端ではなかったですし、それと並行しながら続けていました。でも2~3年前から「そろそろちゃんとやろうかな」という感じになってます。表現方法が違うので、すごく新鮮で、もっともっとやってみたいと思っています。
諏訪:手応えはいかがですか?
天野:いろんな仕組みがだんだんわかってきて、「すごくおもしろい世界だな」と。いちばん新鮮なのは、自分の絵が1枚しかなくて、それが流通することです。それを欲しい人が1人いればよくて、それで成立しちゃう。
ゲームとかイラストの仕事は、僕の描いたものがコンピュータの中に入ったり印刷されたりして、複製されるわけです。それが作品として出回る。でもアートの場合は「1枚の絵がすべて」というのが、すごくシンプルでわかりやすい。
諏訪:ええ。
天野:それから、アニメなら視聴率、ゲームなら売り上げ本数が駄目だったら、どんなにいい仕事をやっても、否定されちゃう部分があります。でも絵の場合は「絵そのものがすべて」。受け入れられるかどうかはともかく、自分で「いいな」というものを描くことができます。「自分で責任を取れるからいいなぁ」という感じです。
それと、ファインアートの世界は、絵を売るじゃないですか。売ったら絵が無くなってしまうわけではなくて、買った人が大事にしてくれる。そういう楽しさを初めて知りました。僕なんかは絵を描いただけで満足しちゃうんですが、それを買った人がいて、それを飾ってよろこんでくれたりするという、なにかそういうプラスαがね、すごくいいなと思ってます。

《DEVA・LOCA:purpur》2009 101TOKYO Contemporary Art Fair 2009に出展された作品