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Yahoo! JAPAN インターネットクリエイティブアワード コラボ企画/福田敏也インタビュー「いま、クリエイターがハッピーに働くために」 (3/3)

福田敏也 『いま、クリエイターがハッピーに働くために』 Yahoo! JAPAN インターネットクリエイティブアワード2009連動インタビュー (3/3)

デザインするのは、最適な「コミュニケーション」のあり方

諏訪:今、福田さんはWebプロモーションからセレクトショップのブランディングまで、幅広いジャンルの仕事を手がけられていますね。仕事の配分などは、どうコントロールしているんですか?

福田:結論から言うと、あまりコントロールしていないです(笑)。仕事のジャンルを限定しているわけではなく、僕たちのスタイルを明確に活かせる仕事あれば、分け隔てなく引き受けるというのがポリシーですね。短期的なプロモーションであれ、1、2年かけて実行する中長期のプロジェクトであれ、あるいは、B to Bの案件やコンサルティングに近い案件であったとしても、そこに僕らが関わっていく理由や意味があるプロジェクトであれば、引き受けるという形で動いています。

諏訪:最近のWebサイトでは、正攻法的に情報を「正しく見せる」「キチンと見せる」ことの比重が高まってきています。ともすれば、説明的で、既存サイトの焼きまわしのようなクリエイティブに陥りがちですが、そこにクリエイティブのサプライズ要素を加えて、面白いものを創るにはどうしたらいいと思いますか?

福田:例えば、コーポレートサイトを5年ぶりにリニューアルするといった大きなプロジェクトがあります。また一方で、プロモーションサイトのような「体験としての新しさに切り込んでいこう!」みたいな短期的な仕事も同時に存在しています。しかし、どちらの仕事であっても、僕の中での考え方は大きく切り替わってはいません。

コーポレートサイトとキャンペーンサイトに大きな違いがあるとすると、それは情報の消費時間。ポイントは、その違いの中で「新しさ」の意味を考えることです。

僕らはクリエイターと呼ばれるけど、「人の商品や会社を良く見せる」ことでお金をもらっているわけですよね。人様のものをどう良く見せるのかで頑張っているだけだから、そこで求められることは「その商品や会社じゃないとできないこと」をどう考えていくかに尽きます。どんなサイトであれ、企業がどんなふうにコミュニケーションをしたいのかをヒアリングして、あとはそのWebサイトがどのくらい表示され、誰がターゲットなのかということによって表現のあり方が変わっていくだけなのです。

自分なりの「戦いどころ」は何か

諏訪:福田さんにはちょっと質問をしただけで全方位的な話が返ってきますが、それはやはりクリエイターとしての「知見」があるからこそですよね。

福田:それが先人としての役割だと考えています。最近、アワードの審査員会に出席すると僕が最年長なんですよ。そう考えると、これまで得た知見を広めていくのが僕の役割かなと思っています。

今、武蔵野美術大学と多摩美術大学で講師をしていますが、武蔵美・多摩美といえばグラフィックデザイン界に優秀な人材を輩出している学校ですよね。そういった環境で、デザイナーでなく美大を出ているわけでもない僕の存在意義は、クリエイティブに対する考え方や頑張りどころの探し方を教えていくことだと思っています。僕の話を聞いてそれを取り込んでくれる学生が10人中2人でもいれば、その学生は時代が変わっていってもクリエイティブに対する視点や「幸せの物差し」の持ち方という考えを持ち続けてくれる。そう思って学校に教えに行っています。

諏訪:最後に、『Yahoo! JAPAN インターネット クリエイティブアワード 2009』に応募するクリエイターに向けてメッセージをお願いします。

福田:ひと言「頑張れっ!」だよね(笑)。ただ、やみくもに頑張ってもダメ。自分なりの頑張り方を考えてください。例えば、デザインは上手くないけど、アイデアに関しては負けないというクリエイターの場合は、そのアイデアを磨いていくことが大事です。「デザイン的にはダサイけど、アイデアは優れている」というのは、「デザイン的には無難だけどアイデアはない」というものよりは世の中に出てくる可能性が高いんですよ。

また、アワードで評価されたいという目標を持つなら、勉強を怠らないことが大事です。例えば、昨年や一昨年の受賞作品を見れば、なにかが見えてくるはず。そういうことを考えつつ、「では、自分の戦いどころはどこなのか」を探していき、そこにエネルギーを注ぐこと。また、「質の高いクリエイティブ作品を見なさい」と言う先輩がいると思いますが、そこで一皮むけるためには「なぜそれがいいのか?」ということを言語化するプロセスを持つことです。そうでないと、「なんとなくいいんだよね」で終わってしまい、実際の作品にはフィードバックされませんから。

諏訪:本日は、ありがとうございました。

インタビューを振り返って・・・ (ロフトワーク諏訪)

インタビューの中で、「若いクリエイターが迷っている」という、ごく一般的な共通認識についての質問をしていますが、正直なところ、最近はそうでもなくなってきたんじゃないかな、と感じています。

確かに、今なお勉強しなければいけない事は増えつつあるし、職場環境が劇的に改善されたわけではない(それでも、ちょっとはよくなったみたいですが)。でも最近、またクリエイターが「格好良く」なってきているな、と思うのです。若いクリエイターだけじゃなく、30代や40代のクリエイターも含め。それはきっと、多くのクリエイターが福田さんが言うところの「軸」を見つけつつあるからなのかもしれません。だから今回、福田さんの話を伺って僕自身「そうだな」とストンと腑に落ちたし、そう思うクリエイターも多いんじゃないかと思います。

福田さん、もう業界のリーダー的な人ですから知っている人も多いと思います。そして、意外と50歳(!)というお歳なんですよね。
でもすごくかっこいい。きっとこのままカッコ良く飄々とクリエイティブを楽しみつづけるんだろうなあ、と思います。

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Profile

福田敏也 クリエイティブ・ディレクター

1982年、博報堂入社とともに制作局に配属。CMプランナーとして数多くの国内企業のCM制作にたずさわったのち、1996年博報堂電脳体設立とともに ネットクリエイティブの世界へ。1999年からは、クリエイティブディレクターとしてネット広告の前線で活動。2003年独立し、トリプルセブン・インタラクティブをスタート。以降、多種多様な広告主のネットコミュニケーション活動をサポートしている。
カンヌ国際広告祭金賞、NY Oneshow金賞、東京インタラクティブアドアワード金賞など、国内外広告賞受賞経験多数。NEW YORK ONE CLUB会員、NYADC会員。

777Interactive http://777interactive.jp/
福田敏也ブログ“PEACE!” http://ameblo.jp/toshiyafukuda/

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