
日本でもインターネット上で自由なコンテンツの流通が可能になれば、大きな可能性が広がると岩倉先生は力説します。日本のアーティストやパフォーマーが、世界を舞台に活躍できるし、無名の人が突然世界で脚光を浴びる可能性もあるのです。
新しいクリエーターがどんどん新しいコンテンツを創っていけば、日本は経済だけでなく文化の面でも世界に向けて発展することができるでしょう。
そのためには、これからの社会では現在のようにキラーコンテンツを持つ一握りの著作権者が大きく儲けるというのではなく、ロングテールで安く著作権使用料を定め、みんながコンテンツにリーチできるような仕組みを作る必要があります。
こう言うと、5,000円のものを300円で売りたくないと言う意見が出ます。その通りです。しかし、例えば5,000円の価値があるキラーコンテンツでも、YouTubeに載ったときに著作者が「けしからん」と言って削除させていれば、生まれるお金は0円でしかありません。
YouTubeは、ライセンスを許諾してもらえれば使用分のインセンティブは支払う、という方針を採っています。
「1回の使用料を300円にしても、20回使ってもらえば6,000円になるのです。このほうがいいと思いませんか。このほうが、コンテンツ産業は発展すると思いませんか。」岩倉先生たちはそう考えます。
日本も、こういう時代に即した著作権法に変えましょうと、岩倉先生らの「デジタル・コンテンツ法有識者フォーラム」では今年3月、「ネット法(仮称)」を提言しました。これにより、規制を緩和することで日本のコンテンツを世界に発信し、また世界のコンテンツを日本で流通させることが容易になります。
実現にはさまざまな困難が伴いますが、みんなで頭を絞り、侃々諤々の議論をしてほしいと、岩倉先生は訴えます。
今のこどもたちが大人になった時、著作権の面でもインターネット技術の面でも、クリエーターがインセンティブを持って活躍できるよい国にしたい。そのためには、ほんとうに今のままでいいのか、今こそ考えてほしいと、岩倉先生は最後に力強く訴えました。