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イベント/コラボ 2008/04/02

101TOKYO藤高氏×ロフトワーク林千晶、世界と日本のアートマーケットを語る

渋谷では既に桜が見ごろになった3月27日、ロフトワークでは日本の近代アート市場を盛り上げるために世界中を駆け回っている藤高晃右氏(Tokyo Art Beat共同設立者兼、101TOKYO 共同設立者)をゲストにお招きし、ロフトワークの林千晶をモデレーターに「日本の現代アートの今と未来」をテーマとしたトークセッションを開催いたしました。
世界最大のアートフェアの様子や、日本のアートシーンの今後への期待、クリエイターにとって気になるアーティストとギャラリーの関係など、盛りだくさんな内容が語られました。

ロフトワーク林が語る、世界のアートフェア

不況知らず? 拡大を続ける、欧米のアートフェア

自ら、2年前にアートバーゼルを体験したロフトワーク 林。以来、アートフェアの面白さに目覚める。
自ら、2年前にアートバーゼルを体験したロフトワーク 林。以来、アートフェアの面白さに目覚める。

一般的に、アート作品の売り買いがされる場所はギャラリー、オークション、アートフェアとあります。アートフェアではいったい何が行われているのか、実はあまり知られていないのではないでしょうか?
アートフェアは、世界中からたくさんのギャラリーと、作品を買い求める人々が訪れるアート作品の見本市。毎年世界で300展近く開催されています。不況といわれる中でも、欧米を中心に、世界のアートマーケットはますます活気づいているようです。

世界一のアートフェア「アートバーゼル」

セレブたちは、プライベートジェット(!)でバーゼルに降り立つそうです。
セレブたちは、プライベートジェット(!)でバーゼルに降り立つそうです。

中でも最も有名なのは、スイスで6月に開催される「アートバーゼル」です。アートバーゼルでは巨匠から現代アーティストまで、非常に幅広い作品が扱われています。
驚くことに、ピカソやマティスといった近代作家から、ウォーホル、バスキア、といった現代作家まで、美術館を飾るような超有名な作家の作品が実際に展示・販売されているのです。
アートバーゼルの規模は年々拡大しており、2007年の取引推定額は、600億円ともいわれています。6月になると、アートを買い求めて世界から集まったセレブが、一般公開よりも先に特別内覧会で作品を買い求めることができるのだとか!

一般のアートファンにも楽しめる

2006年のVOLTAでとても人気だった日本人アーティスト。
2006年のVOLTAでとても人気だった日本人アーティスト。

こんな話を聞くと「アートってやっぱりセレブの世界なの?」と思えてくるようですが、アートフェアの姿はこれだけではありません。アートバーゼルの周りには、「リステ(LISTE)」「ボルタ(VOLTA)」といった、若手のギャラリーが集まった小規模のアートフェアが開催されており、会期中は街全体がアートに沸きあがります。特にボルタでは、私たちのポケットマネーでも購入できるような作品も売られています。
バーゼルのほかにも、欧米の主要都市ではN.Y.の「アーモリーショー(Armory Show)」、ベネチアの「ビエンナーレ(La Biennale di Venezia)」ロンドンの「フリーズ(Frieze Art Fair)」などといった、大規模なアートフェア、あるいはアートショーが毎年開催されています。

アジア・日本のアートブームも盛り上がっています!

アートファンにオススメの上海のM50

このように、幅広い層を相手に成長を続ける欧米のフェアーを目の当たりにすると、さすが本場といったところ。しかし、アート熱が高まっているのは欧米の都市だけではありません。
アジア、特に中国でも、アートが大きな盛り上がりをみせています。たとえば、上海のM50(莫干山路50号)という地区。元廃工場だった場所が、今では現代アートギャラリーがひしめきあうアートのメッカになりました。その数も、80以上といわれています。

アートの楽しみ方いろいろ-日本のアートブーム

cm2の単価は、メインの技法の単価 + 支持体(ベースの素材)の単価 + 画家レベルの単価 によって決定します。
cm2の単価は、メインの技法の単価 + 支持体(ベースの素材)の単価 + 画家レベルの単価 によって決定します。

ここ日本でも、近年はアートをさまざまな形で楽しむことができる商品やサービスが注目されており、また、アート作品を購入できるサイトも増えています。

たとえば、「Art Meter」というサイトでは「単価×面積」によって価格が設定されていて、比較的安価で1点ものの作品を購入できます。
また、アーティストの作品をデザインに取り入れたプロダクトが人気になったり、雑誌で現代アート特集が組まれることも多くなってきました。

これらのアートブームを通じて、日本にも現代アートをさまざまな形で楽しむ文化が定着してきているといえます。

日本のアートマーケットの現実とアートフェアの展開

残念ながら、日本のアートマーケットは上海やシンガポールなどといった他のアジアの都市に比べても、非常に小さいのが現状です。「アートは美術館で見るもの」という風潮があり、作品を所有して楽しむという人が少ないからです。
こういった状況ではギャラリーやアーティストが育ちにくい。世界のアートファンからも、「作品が売れない」東京のマーケットはスルーされていました。
そんな中、2005年から「アートフェア東京」がスタートしました。主催者の努力と、日本でのアートへの注目の高まりとがあり、アートフェア東京は2007年には10億円の取引を達成(アートフェア東京2007 開催報告書より)し、日本のアートマーケットの成長に大きく貢献しました。

日本でも著名なギャラリーが集まるアートフェア東京ですが、いざ作品を購入しようとなると、一般の人にとってはちょっと高い。私も去年、購入する気満々で足を運んでみたのですが、予算内で気に入ったものを見つけるのがなかなか難しいんです(笑)。
より多くの人が見るだけでなくアートを購入しやすいように、もっと若手が参加できるアートフェアもほしいなと思っていたところを、今年から101TOKYOの開催が決定しました。
東京に若手のためのアートフェアが生まれたことが、すごくうれしいと思っていますし、アートフェア東京もあわせてこれからの展開に大いに期待しています。いちアートファンとして、私も一緒に東京のアートフェアを盛り上げていきたいですね。

藤高氏が語る、日本のギャラリー事情

気になる、アーティストとコマーシャルギャラリーの関係

「好き」が高じて、日本でもっともメジャーなアートポータルサイトの一つ「TOKYO ART BEAT」を作った、藤高氏。
「好き」が高じて、日本でもっともメジャーなアートポータルサイトの一つ「TOKYO ART BEAT」を作った、藤高氏。

ギャラリーには2つの種類があります。1つめは、所属アーティストを持つ「コマーシャルギャラリー」。2つめは、アーティストに場所をレンタルするだけの「貸画廊」としてのギャラリー。

「コマーシャルギャラリー」は、「貸画廊」とは異なり、経営者がアーティストと個別に契約し、その作品の販売を全面的にバックアップします。
現代アートのギャラリーに関して言えば、ギャラリーでは「ショー」という形で新作を発表し、そこでの売り上げから収益を得て、ギャラリーとアーティストの間で分配されます。

そして、ギャラリーで作品を購入した人が、オークションで作品を競売にかけます。ですから、オークションで高い値段がついたといって、アーティストやギャラリー自体にはそのまま収益が入るわけではありません。
もちろん、オークションで高い値段がつけば、次の作品がより高い値段で売れる見込みが出るので、値段を引き上げるということはできます。

コマーシャルギャラリーの経営者(ギャラリスト)には、「このアーティストを育てるぞ!」という強い意気込みがあります。自分が手がけるアーティストの作品が売れるようになるまで、定期的に個展を企画したり、様々なアートフェアや企画展に作家のポートフォリオを送るなどと、その努力は絶えません。
世界の舞台でも認められるアーティストとして花開くまで、ギャラリストはアーティストに膨大な時間と労力を注ぎ込むのです。

日本にはまだ少ないコマーシャルギャラリー

N.Y.には500~600件ほどの大きなギャラリーがあって、その9割がコマーシャル。一方、東京にはギャラリーと名前がつくところは400件程度ありますが、ほとんどがレンタルギャラリーで、コマーシャルギャラリーはだいたい100件くらいです。
アートが売れない日本でのコマーシャルギャラリーの運営は難しく、アーティストにとってもコマーシャルギャラリーに所属するのは大変難しいのが現実です。

若手ギャラリーのための、日本の新しいアートフェア

101TOKYO Contemporary Art Fair立ち上げの背景

101TOKYOのシンボルの1つである、旧練成中学校体育館。実際のアートフェアは、食堂だった場所で開催されます。
101TOKYOのシンボルの1つである、旧練成中学校体育館。実際のアートフェアは、食堂だった場所で開催されます。

昨年アートフェア東京が成功を収めたように、最近は「東京でもアートが売れる」という見方が出はじめていて、コマーシャルギャラリーの数も増えつつあります。しかし、アートフェア東京の会場の敷地には限りがあって、若手のギャラリーが出展できるスペースがないという状況になっています。
また、外国から来たアーティストにとっては、言語の壁があって日本のアートイベントにはなかなか参加しにくい。それなら、海外からのアーティストや若手のギャラリーにも開かれたアートフェアを自分たちで作ろう、となったのが101TOKYO立ち上げのきっかけです。

ちなみに、若手のアートフェアが始まる場所は、ちょっと変わった場所が多いんです。たとえば、NYのアーモリーショーは、武器庫で開催されたことから、この名前がついています(Armory は武器庫の意味)。101TOKYOの場合は、廃校になった旧練成中学校が会場です。アートフェアの会場を探していたら、たまたま区が廃校になった校舎の使い道としてアート施設を作りたいと考えていたところだったそうで、すごく幸運でした。

101TOKYOを象徴する、4つのキーワード!

1O1 TOKYOの特徴は「インターナショナル」「コンテンポラリー」「イベント」「ファン」です。

「インターナショナル」についてですが、アートは世界中が影響しあっているもので、日本国内だけでとどまるものではありません。ですから、フェア自体も国際的なものを目指しています。
「コンテンポラリー」について、101TOKYOは、今生きて制作をしている人たちの作品を展示することにこだわりました。
また、「イベント」ですが、私たちは人が集まることで生まれる価値を大切にしようと考えています。買う人だけじゃなく、見に来た人たちからもアートの情報が広がっていくような、コミュニケーションが生まれる場所でありたいと思います。そのためにパーティやレクチャーなどのイベントを開催します。
そして「ファン」ですが、101TOKYOでは、開催側もお客様も一緒に楽しめるアートフェア作りをしたいと思います。

日本のアートマーケットとアートシーンを盛り上げるために、「アートフェア」に行ってみよう!

4月4日~6日開催、アートフェア東京と1O1TOKYO

海外に比べると、まだまだ小さいものの、確実に成長を始めた日本のアートマーケット。これからさらに盛り上げるために、私達ももっと現代アートを見て、知って、楽しんでみませんか? 
そのきっかけとして4月に目白押しの「アートフェア」は絶好の機会です。「東京のアートを大いに盛り上げよう!」ということで、「アートフェア東京」と「1O1 CONTEMPORARY ART FAIR」の両方に、出かけてみてはいかがでしょうか?
また、「1O1TOKYO」では、コンテンポラリーならではの面白い仕掛けもたくさん企画されているそうです。また、扱っているのも若手の作品なので「アートフェア東京」に比べると、価格帯も安めとのこと。「私にも買えるアート作品」に出会えるかもしれません。


1O1TOKYO 公式サイトはこちら≫

和気あいあいとした雰囲気の中、トークセッション終了。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
和気あいあいとした雰囲気の中、トークセッション終了。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

101Tokyo Contemporary Art Fair

101TOKYOは日本で新しく始まるインターナショナルな現代アートフェアです。
第一回目として2008年4月3日から6日に秋葉原の旧練成中学校にて開催されます。

●開催日程:
・4月3日(木) 11:00-21:00 
・4月4日(金) 15:00-21:00 
・4月5日(土) 11:00-21:00 
・4月6日(日) 11:00-17:00

●会場:旧練成中学校
〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14

●アクセス:
* 東京メトロ銀座線末広町駅から徒歩3分
* JR秋葉原駅から徒歩8分
* アートフェア東京(有楽町)の会場から山手線で6分
http://www.101tokyo.com/jp/