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2009/06/18 INTERVIEWS INTERVIEWS

福田敏也 インタビュー | いま、クリエイターがハッピーに働くために (1/3)

福田敏也 インタビュー | いま、クリエイターがハッピーに働くために

777Interactive 福田敏也氏が語る、クリエイティブに働き続けるために大切なこと

変化や技術革新が次々と生まれ、移り変わりの激しいWebクリエイティブの世界では、
今や「なんでもつくれる」時代となりました。

たくさんの人々が「クリエイター」として仕事をしている一方で、
「なにを作ればいいのか?」「作り手としてどこへ向かえばいいのか?」ということに、
悩み、不安を抱えている若い人たちが多いことも事実です。

こんな時代に、クリエイターがハッピーに働くために、必要なものとは何か? 

そのヒントを探るべく、Webクリエイティブの世界の大先輩で、
Webクリエイターの登竜門「Yahoo! JAPAN インターネットクリエイティブアワード」の審査員を務める、
777Interactiveの福田敏也(ふくだ・としや)氏に、ロフトワークの諏訪が、
クリエイティブの世界でハッピーに生き抜くために「大切なこと」を訊いてきました。

登場人物プロフィール

福田 敏也 (ふくだ・としや)

(株式会社トリプルセブン・インタラクティブ代表取締役、クリエイティブ・ディレクター)
1982年、博報堂入社とともに制作局に配属。CMプランナーとして数多くの国内企業のCM制作にたずさわったのち、1996年博報堂電脳体設立とともに ネットクリエイティブの世界へ。1999年からは、クリエイティブディレクターとしてネット広告の前線で活動。2003年独立し、トリプルセブン・インタラクティブをスタート。以降、多種多様な広告主のネットコミュニケーション活動をサポートしている。
カンヌ国際広告祭金賞、NY Oneshow金賞、東京インタラクティブアドアワード金賞など、国内外広告賞受賞経験多数。NEW YORK ONE CLUB会員、NYADC会員。
777Interactive http://777interactive.jp/ | 福田敏也ブログ“PEACE!” http://ameblo.jp/toshiyafukuda/

諏訪 光洋 (すわ・みつひろ)

(株式会社ロフトワーク 代表取締役社長)
慶応大学総合政策学部(SFC)を卒業後、JapanTimes社が設立したFMラジオ局「InterFM」(FMインターウェーブ株式会社)立ち上げに参画。クリエイティブ業務を経た後、同局最初のクリエイティブディレクターへ就任。1997年渡米。School of Visual Arts Digital Arts専攻を経て、NYでデザイナーとして活動。2000年にロフトワークを起業。


先輩から学んだことと、14年目のリセットボタン

諏訪:以前お会いしたときに、「かっこいい方だな~」と思っていて、それからずっとお話を伺いたかったんです。今回Yahoo! JAPAN インターネットクリエイティブアワードの特別審査員をされるということで、是非!と思い、こうして伺いました。

福田:いえいえ(笑)。ありがとうございます。

諏訪:福田さんは、以前は博報堂に勤めていらっしゃいましたね? そこでは、どんなことをやっていらっしゃったんですか?

福田:CMプランナーとして15年間マス広告のクリエイティブに携わった後、1996年に新設されたばかりのネットメディア部隊に移りました。独立して777Interactiveを設立したのは2003年と、意外と独立するまでが長かったんです。

諏訪:20年間やめなかった理由は何ですか?

福田:大きな組織だと、年代ごとに自分自身の仕事上の立場は変わりつつも、それぞれのフェーズで学ぶことはたくさんありますよね。その中で学ぶことの価値が大きかったんだと思います。

僕が入社した1980年代というのは、上下関係の縛りが強く、小さなチームのなかで徹底的にしごかれるという、ある種の体育会系的な雰囲気の時代でした。入社3年くらい経つと、依然「使い走り」的な感じは残りつつではありますが、制作全体のプランニングやプロデュースをするという時期が、しばらく続きます。

一番ハードに働いていたのは30代前半までですね。チームの中でも責任者的な立場が与えられ、クライアントのコントロールなども任されます。また同時に、結構な仕事量をこなしつつも、同時に質も考えなければならない。今もハードに働いているけれど、当時は「労働環境としてどうなんだ」というほど、比べ物にならないくらい働いていました。ただ、この30歳からの10年間は質量ともに非常の密度の濃い仕事をしていて、その時学んだことは、僕の仕事人生の中でも相当大きかった。

どのフェーズでも、今自分がやっていることがいいことなのかどうか、この先、自分がやろうとしていることをどうプランニングすればいいのかということを考えるための指針としての「先輩たち」の存在があった。だからこそ、その場所(博報堂)にいる意味が色濃く存在していたんです。

諏訪:Webクリエイティブに携わることになったきっかけは何ですか?

福田:転機となったのは1996年。インターネット広告の創世記に博報堂内で「電脳体」という組織が作られて、社内公募に手を挙げたんです。これが、自分の中での「リセットスイッチ」となりました。

それまでの14年間、マス広告だけを考えて仕事をしてきましたが、まったくのゼロから「Webメディアとはどんな媒体なのか?」ということを検証することからのスタートです。もちろん、広告的な物の考え方やコミュニケーションという点では、十数年の知見は活かすことはできます。しかし、これまでは自分のやってきた仕事の実績や立場、築いてきた関係性で成り立ってきたことが、一切チャラになる。オファーひとつするにも、「広告会社から、なんだか変な奴から連絡来たぞ」ってなるわけです(笑)。

また、制作のプロセスの中で、Webの世界での従うべき作法と、自分が考える「広告的な正しさ」から通すべき筋とのせめぎ合いが続きました。たとえば、デザインがどうあるべきかという話をするときに、ユーザビリティやプログラムの軽さといったWebコンテンツの基本ルールと、広告として伝えたいことをいかにシェイプアップし、何をキャッチとして打ち出すべきかということがぶつかる。そんな中で打ち合わせをしても、なかなか分かってもらえない。最終的には、自分で考えるしかない、自分で形にして見せるしかないということで、僕がラフやデザインを創ったり。そんなことを繰り返していました。

しかし、全く新しい媒体に移ったことで、これまでやってきた広告の仕事を異なるフィルターで考え直したり、自分の考え方を練り直すという作業をすることができました。


ひきつづき、福田さんに「クリエイターとして働く上で、大切な考え方」を伺います。≫

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