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2009/03/22 EVENTS EVENTS

ETech2009 レポート: プロットデータのアートと出会い、日本のサブカルをアメリカで紹介

初音ミク/ニコニコ動画はアメリカでどう受け止められたの?

最後に手前味噌で恐縮ですが、「Japanese Tech Culture: Demystifying “Weird” Japanese Toys and Tools(日本のテックカルチャー:日本の変わったおもちゃやツールの神秘が明らかに)ということで TokyoMangoの Lisa Katayamaさんと私で セッションを行いました。

まずはLisaさんの講演から。実は昨年11月に2人で渋谷に行き、街角ゲリラインタビューを敢行したときの様子を撮影した動画を紹介。

また、 バーチャルゲスト川口盛之助さんによるマナーモードペンの紹介動画。

役に立たなそうなのに変わった物を愛する日本人。Lisaさんはバンダイガジェットの面白おもちゃを矢継ぎ早に紹介します。梱包材のプチプチ感を何度でも味わうことができる「∞プチプチ」、エダマメを鞘から出すぷにぷに感を何度でも味わうことができる「∞エダマメ」、指を突っ込むとなぜか触っている感じがする「ツッツキバコ」、銃で撃つと止められる目覚まし時計「ガンオクロック」、5秒ぴったりで自分で止めるストップウォッチ「5秒スタジアム」などを会場に配り、参加者は初めて見る不思議なおもちゃに興味津々の様子。

次に、いよいよ私のプレゼンです。日本のギークカルチャーは突然出て来た物ではなく、昔からある日本人の職人魂と近年のサブカルチャーが合わさって生まれたのではないか、という仮説を元に、スピーチを始めました。

例えば、ロボット。17世紀の日本には既にからくり人形があったけれど、その後男の子達がアニメの鉄腕アトムやガンダム等を見てインスパイアされた結果、大人になってASIMOのようなロボットを作るようになったのではないでしょうか。

同じ仮説をDTM(デスクトップミュージック)で見てみます。YAMAHAやクリプトンフューチャーメディアのような会社はずっと音/音楽分野におけるエキスパートでした。この2社が組んで発売した初音ミクというソフトは女の子のキャラクターを起用し、有名なアニメの声優さんの声を使い、音階と歌詞を入れれば、だれもが女の子に歌わせることができるようになります。

初音ミクは大ブレイクし、ファンによって数々な音楽、キャラクター同人イラスト・動画などがアップされました。ここで重要なポイントは、クリプトン社がディズニー等のようにミクのキャラクターを囲い込むのではなく、ファンが二次創作を行うことを推奨したこと。
クリプトン社のオープンな方針も功を奏し、ファンコミュニティはどんどん大きくなっていきました。2007年の音楽ソフト部門でクリプトンは27%の市場シェアを確保、そして2009年3月4日のオリコンデイリーチャートでは人気アーティストを押さえ、なんと初音ミクが歌うアルバム“Super Cell” が2位に!

更に、3Dソフト「MikuMikuDance(以下MMD)」とミクのモデリングデータを自作して無料で公開する人まで現れ、MMDを使って多くの3Dアニメが作られ、ユーザ主導でMMDの動画コンテストも開催されました。

これらの一連の活動において重要な「場所」を担ったのが「ニコニコ動画」という動画共有サイト。その中の「コミュニティ」が、重要な役割を果たしました。これまで、ニコニコ動画を真似たサービスはいくつも出現しましたが、オリジナルの強みは、なんといっても面白い物を作る人と、それを面白がる人たちのコミュニティがあること。

そして、面白いコミュニティがあると、何の変哲のないツールを使って、面白い物を作る人がでてきます。例えば皆さんご存知の表計算ソフト「Microsoft Office Excel」は通常、計算をしたりグラフを作ったりするのに使われると思いますが、このソフトを使ってニコニコ動画のユーザさんが作った動画がこちら。「エクセルでひぐらしのなく頃に解OP

なんと、エクセルのマクロを使ってアニメを作ってしまっているのです! あまりに驚いた観客の方がつぶやいたTwitterがこちら:

「なんだこりゃ? アニメを作れるエクセルのマクロだって!」
「なんだこりゃ? アニメを作れるエクセルのマクロだって!」

こうした技術系の動画をニコニコ動画 に投稿するコミュニティ「ニコニコ技術部」が現在力を入れているのが「あの楽器」という楽器製作。発端となった動画はこちら。

この動画の中でミクが使っている架空の楽器を作るべく、「職人さん」達が競っているのです。

その中で紹介したのはAR(拡張現実 Augmented Reality)を使った作品。

肉眼で見ると見えないけれど、カメラを通してみると、現実世界に重なってバーチャルな楽器が見えるという物です。
このAR技術、昔から存在はしていたのですが、2007年に公開された「電脳コイル」というアニメをきっかけに様々な方面で大ブレイクしました。そんなAR技術を使って作られた電脳フィギュアARisは、1万円と高額にもかかわらず初期ロット3,000個はすぐに完売してしまったとのこと。

観客には詳しい方もいらっしゃったものの、初音ミクやニコニコ動画やAR等を初めて聞くという方も多く、非常に面白かったと好評でした!

プレゼンテーションに使ったスライドはこちらでご覧頂くことができます。

厳しい経済不況の中で開催された今回のETech2009は、例年と比べるとだいぶ参加者の数も少ないながら、内容としては非常に濃いものになっていました。
インドや中国、日本事情など、国際的な話のできるスピーカーも多く、またtinkering(ものづくり)については ワークショップやMaker Shedというお店兼工作室のような場所も設けられ、参加者の多くが楽しんで参加していました。

5月23・24日には東京で Make Tokyo Meeting、5月30・31日にはアメリカのベイエリアでMaker Faireが開催されます。興味がある方は、是非参加してみてください!

(別記なき限り、全ての写真はCreative Commons Attribution-NonCommercial-No Derivative Work 2.1 日本ライセンスBY Fumi Yamazakiです)

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